海水魚の世話
水換えをする
水換えと言うのは、水槽内の古くなった海水を捨てて、新しい海水を水槽内へ取り込むことを言います。または換水とも呼ばれたりします。
よく「水換えに勝るものなし!」という言葉を聞きますが、まさにその通りだと思います。水換えをすれば解決!というようなケースも多いので、超重要な世話だと思っていてください。
水槽やお部屋の環境によってもいろいろな水換え方法があると思いますが、ここでは一般的な水換えの仕方をご説明します。
水換えの目的
まず「何で水換えをしなくちゃいけないの?」「水換えってそんなに重要?」などという声が聞こえてきそうな気がするので以下でご説明します。
主な目的
- 蓄積された硝酸塩やリン酸塩の排除。
- 水槽内で消費されたミネラル分の補給。
魚メインの水槽の場合
魚の糞や餌の食べ残しは硝化バクテリアにより、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩と分解され、最終形態の硝酸塩はそのまま水槽内に蓄積していき、蓄積すればするほど生体にとってストレスの多い環境になってしまいます。
またリン酸塩は餌から直接溶け出してしまいます。
主にこの硝酸塩やリン酸塩の排除が水換えの目的で、一度に1/3〜1/2ぐらいを水換えした方が濃度を下げるには効率が良いです。
また、水道水自体にも硝酸塩(地域によって異なりますが、大体10ppm前後)が含まれているので、硝酸塩試薬で水道水の硝酸塩濃度を測定して数値を把握しておきましょう。
RO水+人工海水の場合はRO浄水器が硝酸塩を除去してくれているので安心ですが、水道水+人工海水の素で水換えをする場合はいくら水換えをしても、硝酸塩濃度が下がらないという結果になりやすいので注意が必要です。
サンゴメインの水槽の場合
特に餌の要らないサンゴが多い場合は、硝酸塩やリン酸塩の蓄積する量も少なくなります。
主にミネラル分の補給が水換えの目的で、たくさんサンゴを飼育していると、サンゴの育成に必要なミネラル分が消費されやすいため、短い間隔(3日に1度など)で少量の水換え(1/5〜1/10ぐらい)でミネラル分を補給した方がサンゴは良い状態で維持できるでしょう。
水換えの頻度について
上でも書きましたが、定期的な水換えと言うと漠然な言い方になってしまいますが、頻度は水槽の水量や海水の汚れるスピード、濾過能力、生体の数などなど様々な要素があり、一概には言えません。
基本的には水槽の水量が多ければ多いほど海水の汚れるスピードは遅く、少なければ少ないほどスピードは速いと考えて下さい。
硝酸塩やリン酸塩に関しては、最初は市販の試薬を使用して水質のチェックを行い、自分なりの水換えをしなくてはならない時期を見極めましょう。
準備するもの
- 水換え用ポンプやホースなど
- 空のバケツ(古い海水を入れる容器)
- 新しい人工海水
- 水換えする量だけ作りましょう(目安は上に書いた通りです)
水槽内から古い海水を吸い出す
まずは濾過フィルターやヒーター、殺菌灯、クーラーなどの電源をOFFにします。
そして水換え用ポンプやホースを使用し、サイフォンの原理で準備したバケツへ水槽内の古い海水を吸い出します。
近くに流しがある場合は、そこにホースからの古い海水を直接流すと楽です。
サイフォンの原理が使えない低い位置に水槽がある場合は、水中ポンプ+ホースを使用すると吸い出すことが出来ます。
水位マーキング法
古い海水が吸い出せたら、次回以降の水換えのためにどこまで海水を吸い出したら良いかわかるように、水位の所にシールや水性ペンなどで印を付けておくと楽です。
- 写真では濾過フィルターが動いていますね・・・すみません・・・。
水槽内に新しい海水を注ぐ
最後に新しい海水を水槽へと注いで完了です。
濾過フィルターやヒーターなど電源をOFFにした器具の電源をONにするのを忘れないでください。
水中ポンプ+ホースを使用するとバケツをどこに置いても良いので楽チンです。写真では新しい海水が入ったバケツを水槽の上に持って行き、無理やりサイフォンの原理で注いでいます。ツライ・・・。